食料配給が受けられるチャンスの国アメリカ

8人に1人がフードスタンプ受給者、つまり食糧配給受給者とな。

弓削達氏の新書本読んでて、地中海世界北アフリカ、中東、そしてヨーロッパの富が、皇帝を中心としてわずか数えるほどの特権階級に集中していたローマ帝国。100万人を超える人口を抱えた昔のローマ市で、40万人が公的な食糧配給を受けていたという箇所を目にしたのを思い出した。(成人男性だけが需給対象だったらしく、この数字は成人男性の数から、受け取っていたであろう人々を単純に推測した数だった記憶がある)。

名実共に海の向こうのローマ帝国だなぁ。アメリカって。

一方アメリカも世界中の富がなんとか家とかなんとか家とかを中心としたわずかな数に集中している。ローマは確か1%未満に99%*1とかそういう話だった記憶があるけど、アメリカは上位10%に40%だったかな。いや、1%に40%だったかな。少なくともローマ帝国よりもずっと寛大な良い帝国だ。食糧配給にしたって、平壌と同じで特別な市民が住んでいたローマで40%にも達した受給者が、アメリカではたったの10%とちょっと。共和党が次の選挙で勝つであろう以上、この数値は次の数年で減ることは無いだろう。スマートな野蛮人がもはや自分たちの本音を隠す必要すらなくなっている時期なのだ、今という時代は。1930年代のヒトラーが明け透けに語っていた本音と本質的な違いはなにもない。現代の野蛮人たちは、世界中からかき集めた富の分配について、ヒトラーほども同胞への福利厚生に興味を持っていないことと、「自分」が直接破壊と人道上の蹂躙を行っているという自覚もない点を除けば。あと300年ぐらいすれば火星からやってきたカントリーミュージックが苦手な蛮族によって西海岸が滅ぼされるかもしれない、が、ロッキー山脈より西には馬鹿しか住んでないと東海岸の一部の人間は言うというステレオタイプを聞いたことがあるので、東半分はそれから1000年ぐらいは平気で帝国であり続けるかもしれない。

西海岸が、火星からやってきた救世主を崇めるスパゲッティーモンスター教を国教にして、ハリウッドに聖なる建物を建てるも、東では頑固にキリスト教を守ってアメリカ正教ができるかもしれない。

*1:更に、その天文学的な一極集中した富のほとんどすべてが時の皇帝に集中していた。元老院などの上層階級も相対的に相当裕福だったはずだが、元老院や地方総督などの全資産を合計しても同時代の皇帝一族の資産の一部にすらならないとかそういう話だった記憶がある。