Ubuntu 10.04LTS

9.10からそのままアップデートしたものの、なぜかメモリ消費量が極端に大きくなったり、日本語まわりが怪しかったり(9.10を英語デフォで入れたせいだけど)、グラフィックドライバがエラーだしたりと細かい問題が頻発していたので、10.04を改めてクリーンインストールした。

あぁ素敵。もうWindowsいりません。Civilization IVを起動するとき以外は*1
とはいえまだビデオチャットに難があったりするんだけど、Ubuntuが完全にメインOSになってしまった今日この頃。

次の課題はGoogle依存から脱却することだな。

*1:FreeCivに満足できるならもうまったくWindowsはいりません。

自由はここで終わる

ナチス強制収容所の入り口に、ユダヤ人を油断させて希望を持たせるため”Arbeit macht frei(労働は自由を生み出す)"と書いてあったのは有名な話だけど、さしずめ現代では労働者の心の中に”Arbeit macht spaẞ(労働は楽しい)"という合理化のツールが刻み込まれているようだ*1

アウトノミア運動を研究している小倉利丸さんによれば、イタリアで70年代に起こった労働者の資本主義的労働拒否を含むこの運動の最中、抵抗を始めた労働者たちが工場の入り口に、”ここで自由は終わる”と記したそうな。

*1:しかも、従来からただでさえ比較的良くない労働条件だった上、今や非正規雇用がドイツでも真っ先に広がりつつある介護業界で職業訓練を受けている人たち何人からかこの個性に欠ける言葉を聞いたことはとても強く僕の記憶に残ってる

芸術

僕の落書きには主に二通りのパターンがある。

一つは10歳から始めた、街や地域などの路線図や地図など。学校に行かなくなった最終的な原因は実はこれ。

もう一つは18歳から始めた車の絵、というよりデザイン。とりあえず日本車のデザイン、とりわけ国内専用車は我慢ならん。


最近全体の1割ぐらいしか女性がいないという男性偏重の典型例であるブレークダンスの練習に、28歳になってからブレークダンスを始めたというとてもユニークな人。普通28歳は逆にブレーク引退を考える歳ですよ。

すげぇ女性で28歳からブレーク初めんのかぁと特別興味が沸いたので、さっそく仲良くなる。

この人芸術家で、現在大学で芸術を勉強中。彼女に僕の絵を見せたところ、僕の車の絵には「これは芸術というよりはデザインね」といって興味を示さなかったが、僕の地図などには「これは独特でしかも芸術ね」と興味を示した。いやぁ僕としては芸術という感覚はないんだけど。ブレークと同じでまともな技術なんて入ってないし

彼女は僕に落書きとしではなくて、ちゃんとした大きくて真っ白なキャンパスに同じようなものをしかしもっと正確に描くことを勧めた。

金ないがでっかい落書き、いやスケッチブック買うか・・・。

引きこもりのWikiドイツ語版を

訳して見た

(日本語版ひきこもり)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A

(ドイツ語版ひきこもり)
http://de.wikipedia.org/wiki/Hikikomori

ドイツ語版の記述が客観的でおもしろいと思った。微妙に日本版の記事と視点が違う。さすがに文章量も具体的な情報も日本語版より少ないし、明らかに情報が正しくない箇所はいくつかあるけど。

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日本では、自分の意思によって自宅および自室に引きこもり社会とのコンタクトを最低限に減らしている人たちが引きこもりと(部屋に篭もる及び社会的隠遁)呼ばれている。この概念は、社会的現象と、本人自身のそれぞれ異なる個性と関係しているとされている。

日本における急速な社会的隠遁は、若い男女とも同等に当てはまるように見えるにもかかわらず、主に男性の引きこもりにおいてその行動が社会の注意や不安を喚起している。二人以上の子供がいる家庭に置いては、長男が引きこもりになりやすい。

目次
1  定義とオーダー
2  原因
2.1 影響要因
2.2 学校での抑圧
3  症状
4  暴力への発展の潜在性
5  親の態度
6  治療
7  国際比較
8  関連項目
9  Webリンク
10 書籍


定義とオーダー
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日本の厚生労働省はひきこもりを、両親の家を去ることを拒否し、最低6ヶ月以上家族や社会から退いている人と定義している。自ら数年あるいは数十年孤立することを選んでいるケースもある。

この言葉を作った精神科医斎藤環は、日本(人口約1.27億人)には100万人以上の引きこもりがいると主張している。厚生労働省は注意深い推定として5万人の引きこもりがいて、そのうちの3分の1は30歳以上と公表している。

原因
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一般的な引きこもりは登校拒否として始まる。若い日本の成人は、彼らに対する社会の大きな期待を感じ、しばしば余裕がなくなる。失敗への恐怖と本音と建前の欠如(粗訳では”公的な顔”と”本当の私”を使い分ける能力と社会人としての生活との折り合いをつけるための日常的な矛盾)は彼らを孤立へと追いやる。子供および青年から大人への移行に失敗しているという引きこもりにおける共通性を、多くの精神科医によって、現代の資本主義日本の転換およびイニシエーション儀式の失敗と説明されている


影響ファクター
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引きこもりの拡大は本質的に3つのファクターに影響を受けている。


1. 経済的状況:日本の裕福な中流階級は、大人の子供を相応に食べさせる経済的機会がある。経済的に悪い状況に置かれた家族においては子供は逆に早い時期から仕事を始める。

2. 家庭的状況:親はしばしば自身の子供の孤立の初期段階を見逃し、適切な対応を取れない。さらに甘やかされた子供、あるいはとりわけ母子家庭においてよく見られる共依存(日本では「甘え」と呼ばれている)は青年の自立を妨げる。

3. 労働市場の状況:長期に渡る経済的後退は日本の労働市場を根本的に変えた。かつての労働・サラリーマン世代は終身雇用に頼ることができたが、今日の新入社員の職探しにしばしば絶望的となっている。日本の労働市場の解体と再調整は、伝統的な人生の目標の変更を強制している。


学校での抑圧
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現代の日本の学校システムは生徒に、多大な課題をこなすことと、記憶学習を重視することを要求している。既に1960年には、学校システムの各段階において(幼稚園ですら)入学試験が導入され始めた。大学受験のために一部の受験者は1年まるごとその準備に費やす。1996年より文部科学省により、生徒により創造的で自由な場所与え、登校日を週6日から5日にし、日課から2教科を減らす対策が導入された。新しい指導要領はより西洋の学校システムに近くなっている。

変化はしかしかなり遅れた:熱心な親は、自身の子供を、”自由過ぎる”システムの公立学校を避けるため、(新しい指導要領以降)その後数が増えた私立学校へと送った。クラスメイトからも個別の生徒はいじめられる。この「いじめ」(日本におけるいじめの特殊な形態)の理由は、学校やスポーツにおける成績、民族性、社会的出自あるいは長期の海外居住と見られる。


症状
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ひきこもりの症状は密かに始まり、完全な隠遁という最終的な特徴へと進行する。
その際、生涯の友達の喪失や、友人の喪失、増大する恐怖、内気、そしてコミュニケーション能力の現象という深刻な過程を辿る。

ひきこもりは大抵の場合、特定の部屋にひきこもり、外的環境から自分を守る。一日を寝て過ごし、夜間に活動的になる。一部の人たちは夜間自分の部屋を脱することに成功している。他の人たちは、夜中じゅうPCや窓のそばに座るっている。


暴力への発展の潜在性
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増大する親そして社会からの圧力と、状況から自ら脱する能力の欠如は、ひきこもりの人により強いフラストレーションおよびコントロール不能な怒りをもたらしかねない。これは大抵、例えば夜中に騒音をまき散らすなどの精神的テロと言う形で現れる。稀なケースである人身への暴力は、大抵の場合、自らの家族内に限定される。

2000年5月3日に佐賀県でバスジャックをし、乗客一人を刃物で刺殺し、さらに4人に怪我を負わせた17歳の男は、最初に引きこもりと名づけられたケースで、日本国内で、この現象の膨大なメディアによる繰り返し報道を引き起こした。しかし引きこもりとして典型的でなかったのは、彼は以前、治療のために2ヶ月閉鎖精神病棟にいたことである。精神分析分野においては、彼は親が入院を認めたことを裏切りと簡易、この暴力的な行動によって自ら母親に復讐に立ち上がったと推測された。

それ以降、メディアはひきこもりと暴力行為の関連性を特に強調して伝えた。そのため、一般にはひきこもりは暴力的だという悪評が立ち、社会的圧力はさらに強まった。しかし専門家たちはこの現象を、典型的なひきこもりは、どのような暴力、とりわけ身体的暴力を家族の家の外に持ち出すには、シャイでひきこもりすぎている、と主張した。


親の態度
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家族は引きこもりの人がいる場合、強い悪評に悩まされる。そして周囲からの屈辱を受けることを度を越して恐れている。ほとんどの親は、子供が自力で社会に戻ってくるのを待っているだけだ。彼らが自ら踏み出すまでに長い期間を要するかもしれない。伝統的な母子家庭においてはケアの妨害も寄与している。


治療(ケア)
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引きこもりのケアのためのいくつかの異なる見解がある。
西洋的な手法が、時には数年に渡る親からの引き離しなど極端な方法で引きこもりの人を積極的に社会に戻そうとするのに対し、日本的な手法は待つことを含む。引きこもりの人たちに特化したセラピー施設は常に増えている。主に二つの方向がある:精神医学的方面は、主に長期に渡る入院を奨める。その際には投薬も行われる。社会的方面は、社会へ再び戻り、自立した生活を送るために、慣れた環境下ら離れ、他の引きこもりと共同生活で、古参の人がと新しく来た人の統合を助けることからなる。


国際比較
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NEET(Not currently engaged in Employment, Education or Training)は社会的引きこもりと似た形態を表している。このイギリス発祥で、今日ではこの略語は仕事に学業にも生涯教育にも就かず、親の元に止まっていたい人たちを表すのに用いられている。ドイツ語圏では症状の一部が引きこもりの特徴と重複する社会不安(恐怖)症として知られている。


おわり


情報はあまり正しくないというか、古いところがある。
症状などの記述は日本語版の方がさすがによくできているものの、ドイツの今の社会性がよく現れていると思った。原因を甘えとそれを許す経済的状況および社会的な抑圧と失敗が許されないという緊張の強さに求め、日本で対応がなされていないわけではないが、社会的取り組み(囲い込みとも言えるけど)は甘く、言い方を変えれば、よくて望ましい効果が出るまで時間が掛かり、悪く言えば多くがほったらかしと言える状態という書き方をしている。原因の記述はむしろ15年ぐらい前に書かれたんかとは思うけど、その後の学校での抑圧も含めて、ドイツ社会を基準とした視点が興味深い。
あと具体的な精神障害にまったく触れずに書いてあるところに驚いた。


書籍やメディアの項目には

HikiCulture: 引きこもりのためのフォーラム

フランチェスコ・ヨディーチェ、カル・カルマン著「ひきこもり」、22分の映画http://www.francescojodice.com/video/hikikomori_eng.mov

Deutsche Welleが2004年7月16日に提供のニュース報道「日本の隠れた若者たち」。

マルコ・カウフマンが2005年5月19日に日刊紙に寄せた記事「面子を潰せば締め出される」

アンネ・クンツェがシュピーゲル誌に寄せた記事「子供部屋の仙人」。ただしこれはドイツにおける引きこもり現象の記事。そしてDie Zeit Wissen誌2006年5月号に寄せた記事「ほっといてよ!」

ロリアン・クールマスがNeue Zürcher新聞に2007年7月29日に寄せた記事、「自立できない人たち、ひきこもり、高齢化社会における若者の病的な引きこもり」

が掲載されている。

大人のADHDと併存障害の数字(2006年アメリカ)

2006年のアメリカのデータ(The Prevalence and Correlates of Adult ADHD in the
United States: Results From the National Comorbidity Survey Replication, kessler et al)


最初の数字:各障害を持っている人がADHDを同時に持っている率
二番目の数字:大人のADHDの人たちが各併存障害を持っている率
()内:ADHDでない人が同併存障害持っている率との差


気分障害
抑うつ障害(MDD)9.4%/18.6%(2.7倍)
気分変調(Dysthymia)22.6%/12.8%(7.5倍)
双極性障害 21.2%/19.4%(7.4倍)
なんらかの気分障害 13.1%/38.3%(5.0倍)


不安障害
全般性不安障害(GAD)11.9%/8.0%(3.2倍)
PTSD 13.4%/11.9%(3.9倍)
パニック障害 11.1%/8.9%(3.0倍)
広場恐怖症 19.1%/4.0%(5.5倍)
特定の恐怖症 9.4%/22.7%(2.8倍)
社会恐怖症 14.0%/29.3%(4.9倍)
脅迫性障害 6.5%/2.7%(1.5倍)
なんらかの不安障害 9.5%/47.1%(3.7倍)


濫用障害
アルコール濫用 9.5%/5.9%(2.5倍)
アルコール依存 11.1%/5.8%(2.8倍)
薬物濫用 7.2%/2.4%(1.5倍)
薬物依存 25.4%/4.4%(7.9倍)
なんらかの濫用障害 10.8%/15.2%(3.0倍)


衝動コントロール障害
間欠的爆発性障害(IED) 12.3%/19.6%(3.7倍)



解釈の仕方の一つとしては、左の数字が高いほど、ADHD特有の(併存)障害である傾向が強くなり、右の数字が高いほど、その障害がADHDの併存障害として出やすいと考えることができる。この研究においてADHDかそうでないかを判断する基準にDSM-IVが用いられてる。この研究において推定されているアメリカの大人のADHD罹患率は4.4%。


調査対象群のうち、85.8%がまったくADHD診断基準に当てはまらず、7.5%が幼少時代にやや当てはまったとされ、4%が幼少時代には診断基準に当てはまったものの、大人の現在では症状がないとされ、2.6%が幼少時代の診断基準に当てはまりなおかつ今でも症状があるとされている。


DSM-IVは、別の研究では、別の基準ではADHDの範囲内に入る人たちが基準外に漏れやすく、また大人のADHDでは特によりその傾向が強くなることが示唆されているため、今後この左側の数値はもっと高くなる可能性が十分にある。

個人的に、ADHDの人における、その他のグループとのリスク差がアルコール濫用と依存がほぼ同じ程度で、薬物濫用はそれよりさらに低いのに、薬物依存となるといきなり約8倍になるのか気になった。


アメリカと言えば御用学者が業界やロビイスト達とつるんでいて、という告発をしばしば(いやしょっちゅうかも)聞くけど、ADHD業界もその例から漏れることはない。そもそもADHDの研究の中心はアメリカで、ADHDと診断された子供への投薬率(2003年で56%)は他の先進国に比べて群を抜いている。また、どういうわけかADHD罹患率東海岸から西海岸に向けてなぜか低くなっていく。まさか西へ行けば行くほどサイエントロジーが頑張ってるわけではないだろうが。この論文にもケスラー、ビーダーマン、バークレーアドラーと有名どころが顔を連ねてる。他の分野、例えば環境とか石油に関わる分野では場合によってはデータを改竄したり不正な研究発表をしたりという話もあるけど、ADHDはどうなんだろうね。僕はあってもおかしくないと思ってるけど。

アメリカにおけるADHDビジネスのきな臭い事情については徐々に調べてみたい。

食料配給が受けられるチャンスの国アメリカ

8人に1人がフードスタンプ受給者、つまり食糧配給受給者とな。

弓削達氏の新書本読んでて、地中海世界北アフリカ、中東、そしてヨーロッパの富が、皇帝を中心としてわずか数えるほどの特権階級に集中していたローマ帝国。100万人を超える人口を抱えた昔のローマ市で、40万人が公的な食糧配給を受けていたという箇所を目にしたのを思い出した。(成人男性だけが需給対象だったらしく、この数字は成人男性の数から、受け取っていたであろう人々を単純に推測した数だった記憶がある)。

名実共に海の向こうのローマ帝国だなぁ。アメリカって。

一方アメリカも世界中の富がなんとか家とかなんとか家とかを中心としたわずかな数に集中している。ローマは確か1%未満に99%*1とかそういう話だった記憶があるけど、アメリカは上位10%に40%だったかな。いや、1%に40%だったかな。少なくともローマ帝国よりもずっと寛大な良い帝国だ。食糧配給にしたって、平壌と同じで特別な市民が住んでいたローマで40%にも達した受給者が、アメリカではたったの10%とちょっと。共和党が次の選挙で勝つであろう以上、この数値は次の数年で減ることは無いだろう。スマートな野蛮人がもはや自分たちの本音を隠す必要すらなくなっている時期なのだ、今という時代は。1930年代のヒトラーが明け透けに語っていた本音と本質的な違いはなにもない。現代の野蛮人たちは、世界中からかき集めた富の分配について、ヒトラーほども同胞への福利厚生に興味を持っていないことと、「自分」が直接破壊と人道上の蹂躙を行っているという自覚もない点を除けば。あと300年ぐらいすれば火星からやってきたカントリーミュージックが苦手な蛮族によって西海岸が滅ぼされるかもしれない、が、ロッキー山脈より西には馬鹿しか住んでないと東海岸の一部の人間は言うというステレオタイプを聞いたことがあるので、東半分はそれから1000年ぐらいは平気で帝国であり続けるかもしれない。

西海岸が、火星からやってきた救世主を崇めるスパゲッティーモンスター教を国教にして、ハリウッドに聖なる建物を建てるも、東では頑固にキリスト教を守ってアメリカ正教ができるかもしれない。

*1:更に、その天文学的な一極集中した富のほとんどすべてが時の皇帝に集中していた。元老院などの上層階級も相対的に相当裕福だったはずだが、元老院や地方総督などの全資産を合計しても同時代の皇帝一族の資産の一部にすらならないとかそういう話だった記憶がある。